■ 椅子に水をかける「ファーストサウナー」は誰なのか

サウナの椅子を使った後、水をジャーっとかけて立ち去る――
あれ、これって誰が決めた？
マニュアルも貼り紙もない。
“日本サウナ椅子水かけ協会”なんて団体も、聞いたことがない。
それでも、みんな当たり前のようにやっている。まさにサウナ都市伝説、あるいは“アルカナ級の秘儀”。

気が付けば、隣のオジサンが無言で実演し、次の若者が自然と真似している…。
伝説の“ファースト水かけマン”は、一体誰なのか。
この現象の根っこには「見えない空気」「現場のリアル」が潜んでいる。

■ 具体例：ルールなき“空気”の連鎖反応

例えば、

• ・新参サウナーが初訪問、椅子に座る。
• ・立ち上がると、隣の常連さんがサッと桶で水をかける。
• ・「あれ、これやるのが流儀？」と察知した新参者も水をかける。
• ・数分後、館内の全椅子が常に濡れている。

スタッフ「…えっ、なんでみんなこんなに濡らしていくの？」
不思議なことに、『椅子は必ず水で流しましょう』なんて貼り紙はどこにもない。

ロウリュイベントで「椅子に水かけて整ってね」なんて案内もゼロ。それでも全員がしれっと“水かけ”を実践。
誰も「水かけ警察」なんていないのに、場の空気が人を動かしている――まさに“空気マネジメント”の連鎖。

■ それ、文化？風土？職場で例えると…

文化： 社訓や理念、「患者第一」と額縁に掲げる。“見える化”されたもの。
風土： 誰にも言われないけど「困ってたら黙って手伝う」、“休憩室の冷蔵庫に謎のお土産が増える”現象。
サウナ椅子の水かけは、完全に“風土”サイド。
「貼り紙を出す前に、空気で広まる」――これ、組織づくりの究極形かもしれません。

たとえば職場でも、「ゴミは持ち帰ろう」なんて書かなくても、みんなが持ち帰る空気ができれば最強。
この“自然発生的マナー”が根付くと、現場は一気に快適になる。
「空気作り」は管理職にとっても永遠のテーマです。

■ シュニンニン的ウンチク：「アルカナ級伝播」考察

諸説ありますが、椅子水かけ文化はフィンランドのホスピタリティ文化が日本流に進化した説が有力。
でも、決定打は「現場の空気」。
誰も指示せず、自然と広がる。これこそ“人を動かす隠しコマンド”。

管理職として大事なのは「まず自分がやって見せる」。
やがて誰かが真似し、最初はシュールでも、いつしか主流に。
この現象を“アルカナ（秘儀）”と呼ぶなら、組織マネジメントの極意は「空気のデザイン」と言ってもいいかもしれません。

■ まとめ：「貼り紙ゼロ」を目指せ！

貼り紙もアナウンスもないのに全員が動く――
それが「文化」を超えた「風土」の力。
管理職としては、口で伝えるよりも“やって見せる”、そして“ちょっとシュールに真面目”くらいがちょうどいい。

次にサウナで椅子に水をかけるとき、ぜひ職場のマナー改革も思い出してみてください。
今日も“空気作り”の冒険は続きます！

■ 参考図書