第2話|“主任”というポジションで見えた景色
──現場の中心に立つということ
■ 「なんとなく全部中途半端」に感じる病
主任という役職は、組織の中で一番“板挟み”を食らいやすい位置だ。
スタッフの要望を聞き、本部の意図を読み、店長の想いも汲みながら、現場を回す。
言ってしまえば、責任は重いのに、裁量は中途半端。
でも僕は、仕事に対してどうしても「最上」を求めてしまうクセがある。
店の空気、スタッフの育ち方、お客様との距離感、売り場の統一感……。
どこか少しでも「惜しい」と思うと、つい手を出したくなる。
「全部あと一歩足りない」
そんな感覚が、ずっと自分を動かしてきた。
■ 現場は“人間関係の化学反応”だと気づいた
主任という立場で数年働き、ようやくわかったことがある。
店舗運営とは「シフトと売上のパズル」ではなく、
「人間関係のアレンジメント」だということだ。
- 誰と誰を同じ時間帯に置くか
- 新人を誰に任せるか
- 忙しい日のチーム編成をどう組むか
- スタッフの性格と得意分野をどう生かすか
この“組み合わせの妙”がピタッとハマった日ほど、店が驚くほど回る。
「人と人を組み合わせて最適をつくる」
この仕事は、僕の中のアレンジ力と戦略性を存分に使える。
主任という立場は、いつからか「自分のフィールド」に感じるようになっていた。
■ それでも、主任では見えない景色がある
現場は好きだ。スタッフと一緒に作っていく店が好きだ。
でも、その一方で、主任ではどうしても届かない領域がある。
本部会議の決定要因、支店全体の数字、法人全体の戦略──
そういった“大きな流れ”は、上の役職でしか見えない。
だから僕は揺れる。
「もっと上を見たいのか?」
「現場というフィールドを極めたいのか?」
その問いの答えは、まだ出ていない。


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